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【凝乳の理論】牛乳を固めるレンネットの役割とは?

牛乳を固めるレンネットの役割とは? ブルーチーズ
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こんにちは、発酵おじさんです。

このサイトでは、自宅でのブルーチーズ作りに挑戦しています。

チーズ作りにおける凝乳には3つの要素が重要です。

  • pH
  • レンネット
  • カルシウム濃度

ここでは「レンネット」の役割を詳しく解説します。

pHの役割については、こちらの記事で詳しく解説しています。

凝乳におけるレンネットの役割

結論を先に言ってしまうと、レンネットは牛乳中のタンパク質(カゼインミセル)の疎水度を高め、pH酸性条件下でカゼインミセルが結合するのを促進します。

pH酸性条件で、カゼイン同士が結合する理由については、pHの役割を解説した記事を参考にしてください。

もう少し詳しく知りたい方は、ぜひ最後まで読んでいってくださいね。

レンネットとは

レンネットは、主に「キモシン」という酵素です。

酵素は、タンパク質でできた触媒です。

触媒というのは、自分自身は変化せず、特異的な化学反応の速度を速めるものです。

これは、化学反応が起こるために超えないといけないエネルギーの壁(活性化エネルギー)を、酵素が存在することで壁の高さを下げて反応を起こりやすくします。

レンネットはκ-CNの特異的な配列を切断する

では、レンネットはどのような反応を触媒するのでしょうか?

レンネット(キモシン)は、牛乳のカゼインの中でも特にカゼインミセルの表面に多いκ-CN(カッパーカゼイン)の、N末端から105番目のフェニルアラニンと106番目のメチオニンの間のペプチド結合を切断する反応を触媒します。

その結果、106番目のメチオニンからC末端までの親水性ペプチド(カゼインマイクロペプチド; CMP)は、カゼインミセルから切り離されて遊離します。

一方、カゼインミセルにはN末端から105番目までの疎水性の高いペプチド(para κ-CN)が残ります。

つまり、カゼインミセルの表面から親水性の高いカゼインマイクロペプチドを切り離し、カゼインミセルの疎水性を高くするのがレンネットの効果です。

カゼインミセルの疎水性が高くなり会合が促進

pHの記事で説明したように、カゼインの電気的な反発力がなくなると、水の中の油滴が結合していくように、疎水性の分子が凝集して大きな塊になっていきます。

これは、油滴が分散状態でいるよりも疎水性の物質同士が会合して、水に接触する表面積を小さくした方がより安定になるためです。

つまり、カゼインミセルの疎水性が高くなると、電気的な反発力が弱まった時に会合する力が強くなるということです。

まとめ

レンネット(キモシン)は、κ-カゼインの105番目フェニルアラニンと

106番目のメチオニンで切断することで、親水性のペプチドを遊離させて

カゼインミセルの疎水性を高めます。

その結果、カゼインの等電点で電気的な反発力が弱まった時に、疎水性のカゼインミセルが凝集する力が強くなり凝固します。

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